コピックで出来る! キャラクターを魅せる色の塗りかた

表紙で損してる本です。ようするに、キャラクター着色に特化したコピック教本。（コピックスケッチ前提）30ページほどはコピックの扱い方や基本的な塗り方の解説影のつけかた、柄の入れ方描き方パターン例などなど。グラデーションについては6ページも使いかなり丁寧に解説されています。図解がかわいい。その後、約100ページにわたり塗り系統別のキャラクター塗り解説。白背景のイラストで統一されていて、「光を0で統一したぼかし塗り」「影のみぼかしを使わない塗り」「影をほぼ描かずグラデーションで表す塗り」「淡色を多用したぼかし塗り」「影を特殊な色にする塗り」「逆光による色選び」「重みを出す塗り」の7パターン、それぞれ別の線画。さらにパーツごとの説明線画を複数用意して解説する丁寧さ…。キャラクターに使用した色番号表記はもちろん、全体の着色過程もきちんと掲載されていて塗る順序もわかります。とくに髪や服のブロック分けの図解はわかりやすく、コピック塗り以外の影塗りにも応用できます。内容はとにかく丁寧ですし、解説イラストの数も膨大でよくみたらパーツごとの塗り解説は一工程ごとに見本を塗っているようで、細部がちょっとずつ違ったりとどんだけ手間かけてるんだと呆れました（誉め言葉）。巻末のコピックスケッチ全色ケント紙塗り見本も比較的実際の色に近く参考になります。（コピックチャオに含まれる色もわかるように印がついてます。）ただ、冒頭に書いたように、表紙で損をしています。最近はコピック教本がたくさん出ていて、それらほとんどが表紙にきらびやかでかわいい女の子が描かれてるなか、内容がいまいちわからないし、褐色や垂れ乳、シワシミ老婆な手にばかり目がいって、クセの強さが際立ってなかなか手が出せませんよ…。（実際購入をかなり迷いました…）ちなみに表紙の黒髪セーラー服のかわいい子は本文に一切出てこないのです…。この作家さんの作品ことは失礼ながら全く知らないのですが…ゾンビ肌の表紙が残念すぎて購入してなかった「コピックで出来る！魅力的な質感の描き方」と同じ作者さんだと知り納得…。いろんな系統のキャラクターを描き分けできるのはわかりますが…本文の7パターンの中でも気をてらいすぎというか、器用貧乏な面がちらほら見受けられます。せっかく線画はいいのになんでその色使うかなーというか、線画からしてなんでそういうパーツにするかなあというか…（好みの問題か）。個人的には、柄の描き方の絵とか、「王位継承」「和菓子屋の看板娘」とか、いいなあと思いましたし、こういう万人受けしそうなキレイでかわいい絵を表紙に使えばいいのに…せっかく丁寧な内容なのに表紙で無駄に敷居が高くなっていて、つくづくもったいないなと思います。あれこれぼやきましたが、内容は良いです。褒めてます。かわいい女の子やキラキラだらけの他のコピック教本に尻込みしてしまう方はもちろん、それ以外の方にもオススメです。