わかる!初級ドイツ語のすべて CD付

説明する際、「端的に説明せよ」といわれるぐらいであるから、てっとりばやく要点だけをとらえた説明というのが、よい説明だといえるかと思う。『わかる!初級ドイツ語のすべて』は、表紙の４枚の写真とは裏腹に、中身は余計な写真や図などなく（最低限のものだけ）、カラーも単調で、説明は短すぎずかといって冗長的でもなく、端的であり、見た目とは違い少々硬派な本である。この本は、参考書であって問題集ではないので（掲載されている問題は少なく）、理解したかどうかは別の本で確認する必要がある。理解の確認に、『ドイツ語練習問題３０００題』が適当かと思われる。単語がある程度、頭に詰め込めているなら、この本で得た知識（理解）でスラスラと解けていくのを体感できるハズ。もっと手軽にドイツ語をというカジュアルな本は、いくつでもあるが、初級をこえて、中級や上級に進む意志がおありなら、これ以上簡単な本に手を出すべきではないかと思う。というのも、中級以上の本は、この本でやりにくく感じるなら、手が出せないほどに堅苦しい本ばかりだからである。中級レベルの本として『独文解釈の研究』という本があるが、試しにパラパラとめくって頂くとよいかと思う。端的でわかりやすく、やり切れば、中級への道が開ける良書であることは間違いない。