大審問官スターリン本ダウンロード

大審問官スターリン

, 亀山 郁夫

によって 亀山 郁夫
3.5 5つ星のうち 6 人の読者
ファイルサイズ : 20.47 MB
内容紹介 20世紀ロシアの政治家と芸術家の葛藤劇 帝政ロシアで秘密警察の手先となった過去をもつスターリンは、自らのこのトラウマを癒すため、多くの人間を「粛清」の名目で抹殺してきた。ショスタコーヴィチ、プロコフィエフなどの音楽、ゴーリキー、ブルガーコフ、パステルナークなどの小説、マヤコフスキー、エレンブルクなどの詩、エイゼンシテインなどの映画?どれをとっても20世紀ソ連の芸術作品は美しいものばかりだ! 自由のないところに、真の芸術作品は生まれるのか? スターリンのモノローグをまじえながら、芸術家を巻き込んで繰り広げられたソ連秘密警察の大テロルの裏面をえぐる迫真のドキュメント。 内容(「BOOK」データベースより) 芸術とは、権力とは何か?神は存在するのか、しないのか?ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、パステルナーク、ゾーシチェンコ、エイゼンシテイン、ドヴジェンコら、世界的な芸術家、作家たちと歴代の秘密警察長官を巻き込み、スターリン支配下に現出した恐るべきテロルの実態をえぐる迫真のドキュメント。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 亀山/郁夫 1949年生まれ。ロシア文学者、東京外国語大学教授。ドストエフスキー、マヤコフスキーおよびソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる著作多数。『磔のロシア』(2002年岩波書店刊)で、第29回大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
以下は、大審問官スターリンに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
歴史書ではないかもしれない。というか、真実とか唯一無二の事実の解明を尺度というなら、この書はあまりに演劇的、朗読劇的に綴られているから。さらには、著者もことわっているように、体制の力学が求めた独裁者という、個人を超えた力学については、ほぼ語られていないから、だ。ここに登場するのは、ひとりの陰険で猜疑心にとんだ実務家、日本の財務省あたりに採用されたなら超有能であったろう読書家にして凡庸な、公教要理の狂信者。かれが血祭りに誘う数多の犠牲者たちの群像で今なお忘れられていないのは、だれだろう。独裁を生き延びたショスタコーヴィッチに親しむ人はいるだろうが、帝政ロシアの末期に息絶えたムソルグスキーの方が演奏されているはず。登場する芸術家も革命家ももはや過去の人々。だが、読むにつれ、レーニン的社会主義国家という壮大な失敗とその悲喜劇に翻弄された人々から、「問うなかれ、誰がために鐘はなるや、と。そは汝らがためなれば」の声が聞こえてくる。格差社会と、その農奴のルサンチマン?100年たって、振り出しに戻ったのかな?

0コメント

  • 1000 / 1000