無料ダウンロード「昭和」の子役: もうひとつの日本映画史 pdf
「昭和」の子役: もうひとつの日本映画史
本, 樋口 尚文
によって 樋口 尚文
4.4 5つ星のうち 4 人の読者
ファイルサイズ : 29.13 MB
内容紹介 60~70年代に映画やテレビで活躍した伝説の「子役」たちから見る昭和エンタテインメントの世界。初インタビューや資料を満載、初めて明かされる秘話や事実を掘り起こした、もうひとつの日本映画史。 内容(「BOOK」データベースより) 『砂の器』、『田園に死す』、さらに『超人バロム・1』まで―映画・テレビの現場で鮮烈な印象を残した「子役」たち。初インタビューや新事実の発掘を通して見た濃厚な「昭和」資料のアーカイヴ。 商品の説明をすべて表示する
ファイル名 : 昭和-の子役-もうひとつの日本映画史.pdf
「昭和」の子役: もうひとつの日本映画史を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
約380ページの大著ですが、「第1部インタビュー・伝説の子役とその時代」が270ページまで、残りが「第2部子役列伝・昭和の子役クロニクル」という2部構成です。<第1部>登場するのは、池田秀一、春田和秀、高野浩幸、斎藤浩子、水野哲、高柳良一 の各氏です。本書の素晴らしい所は、よくある「あの人は今」「子役残酷物語」ではなく、一個の俳優としての彼らの話を聞いている点です。もちろん子役人生の曲がり角である10代後半での悩みにも触れられますが、メインは撮影現場での体験談です。皆さん非常に明晰に当時を語っておられます。子供の記憶・思考は大人と遜色ないと言うのは本当で、正にその観察や洞察は傾聴に値すると思いました。巻頭を飾る池田秀一氏のお話に登場するのは、市川崑、実相寺昭雄、菊田一夫、石原裕次郎など錚々たる威名で、さすがはシャア!と恐れ入ったのを始め、他の方々も、当時一流・気鋭の製作陣と仕事をされていて、凄いです。子役もレッキとした映画人なんですね。それに、成人の俳優よりかえって、様々な監督と幅広く仕事をしているは、子役ならではではないでしょうか。おそらく名優・大監督が大人の前では見せなかった顔を、彼らは目にしているでしょう。その意味でも、大変貴重な資料だと思いました。また本書は、10代でデビューした所謂アイドル・青春スターも取り上げています。角川映画のヒロインの相手役だった高柳良一氏は厳密には子役とは言えないのでしょうが、氏の登場には(私の世代的に)「あ、そう来ましたかあ!」と唸ってしまいました。掲載写真(白黒)も豊富で、しかも当時の様子が伝わる良質な物が選ばれています。ちゃんと子供の成長過程に沿った並べ方で、最後は各氏の近影(2015年当時)で締めくくられているのも心憎い所でした。<第2部>昭和に生まれ、昭和に活躍した子役を出生順に紹介したもの。故・高峰秀子氏ら1920年代生まれの方々から始まります。十代の青春スターも取り上げる一方、スター歌手が副業として映画出演した例(百恵さん等)は除外、昭和生まれだが活躍時期が平成の場合も除外だそうです。それにしても、一口に子役といっても経歴は様々ですね。成人後も芸能活動を継続した方々で言えば、北大路欣也氏などの、有名俳優や業界関係者の二世で子役デビューし、環境にも実力にも恵まれ、そのまま自らもスターに、というパターン。故・五世中村勘三郎丈始め、伝統芸能の家筋に生まれ、子供時代から始まる修行の傍ら映画等にも出演し、成長後は(当然ですが)本業の歌舞伎、日本舞踊等の世界で活躍という方も複数。普通に撮影所や児童劇団からスタートした方で、成人後も芸能界で地位を確保している役者さんは(強烈な子役時代の代表作があったり、高峰さんの様にずっとスターだった大御所は特別として)、子役イメージ皆無ですね。特に個性派俳優、実力派バイプレイヤーさん達。「あの人も子役だったの!?あ、そういえば、昔そんな事聞いた様な気がする…。」って感じです。だって、劇団若草から教育映画に主演している石橋蓮司少年の姿を、想像しろと言われても無理ですよ(笑)1人につき半ページから1ページ弱で生い立ちとフィルモグラフィーをまとめた文章は、引き締まって歯切れが良いので、たとえ私が存じ上げない方の項目であっても、読んでいて心地良かったです。用紙も良質ですし、カバーも文芸書のように落ち着いていますね。内容はもちろん、貴重な労作です。これでお値段2000円台は、全くの良心価格だと思います。(ですので、ちょくちょく誤字があるのは、ま、目をつむります。)
0コメント