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ウォール・ストリートと極東―政治における国際金融資本

, 三谷 太一郎

によって 三谷 太一郎
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内容紹介 国際金融資本はどのような論理に基づいて行動し、政治においていかなる位置を占めるか。ウォール・ストリートや日本の国際金融家がワシントン体制期から日中戦争期にかけての国際政治および各国の政治に果たした役割を追究し、政治と国際金融との関係を問う。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 三谷/太一郎 1936年岡山に生れる。1960年東京大学法学部卒業。現在、日本学士院会員、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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第一次世界大戦後の四国借款団(日米英仏四ヶ国による対中国資金援助の枠組み)の動向を中心に、戦間期の日米関係(特に金融部門)を論じた本です。一般に「ワシントン体制」と呼ばれる当時の良好な日米関係が、実は両国の金融部門(要するに銀行・証券会社)の緊密な関係に依存しており、そしてその関係は、高橋是清、井上準之介、ヤコブ・シフ、ラモントといった金融界リーダー達の個人的な信頼によって築かれた、とされます。ちなみに、当時の日本を金融面から支えた「モルガン商会」というのは今でいうJPモルガンです。100年近く前の話ですが、実は現代と似ている部分も多いのですね。こういう緻密な研究を読むと、「日本はアメリカに支配されている」といった単純な陰謀論は、ある意味正しく、そして正しい分だけ間違っているのだ、と感じます。我々は普段意識しませんが、これだけ緊密な経済関係が100年近く前から続く2国間関係というのは、ほかにあまり例がありません。規模も歴史も桁違いのこの2国間関係が、日本一国の政治状況に影響を与えないはずがない、というのが正確な理解でしょう。アメリカが再度アジア太平洋への関与を強めつつある今、この時代の歴史から得られる教訓は多いと思います。本書ではその終末はさらっとしか触れられていませんが、国際体制というのは、緊密に見えても、当事者たちが好き勝手やりだすと意外とすぐ壊れるのです。あれだけ堅固に見えたワシントン体制がすく崩壊したように。

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