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チベット旅行記(1) (講談社学術文庫)

, 河口 慧海

によって 河口 慧海
4.4 5つ星のうち 6 人の読者
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内容紹介 仏教の原典を求めたいという求道者の一心から、厳重な鎖国をしくチベットに、あらゆる困難にうちかって単身入国を果たした河口慧海師の旅行記。抜群の面白さをもっているだけでなく、チベットの風俗・習慣等についての的確な記述は、本書をチベット研究のための第一級の基本的文献としている。この第一巻では、チベット行を決心して海路カルカッタへ着き、万全の準備の後、ヒマラヤに入り、チベット国境を越えるまでが述べられる。 著者について 1866年大阪堺生まれ。哲学館などに学び、東京本所の五百羅漢寺の住職となる。のち僧籍を離れ、仏教の原典を求めて1900年チベットに入る。わが国最初のヒマラヤ踏破者。日本チベット学の始祖。その後も中国、インド、ネパール、チベットを訪れ、「在家仏教」を起す。晩年は「チベット語辞典」の編纂にあたる。1945年没。
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たぶんみんなも忘れちゃったんじゃないかな。あの猿岩石が世界中を苦労して旅して回ったのを、日本中の視聴者が嘲(あざ)笑いながら+同情しながら、毎週のように手に汗握り見守っていたのを。あのときテレビの画面を見つめていた熱狂とは何だったのか。さらには猿岩石のもたらしてくれた「感動」の賞味期限はどれくらいだったのか(おそらく1年もなかったでしょう:涙)。きょう紹介する河口慧海さんも猿岩石みたいに、なんの頼る術(すべ)もないのに旅した人である。かれが目指した先は鎖国状態にあったチベットで、なんとこの国に潜入するためにインドで、チベット語をマスターし(外国語の教員として興味津々)、あげくのはてにチベット人になりすまし!、当地の王宮に入るのにまんまと成功し、国王の主治医として何年も平気な顔で仕えていた。おもしろいのは河口慧海さん、なにか困ったことがあると、かならず念仏を唱えるということ。たとえば目の前にどうしても渡れそうにない急流があると、座禅を組むこと数時間して「えいやっ」てな感じで飛び込むと、これが不思議だけれど渡れちゃうんですよねー。なぜ河口慧海さんはこれほどチベットに行きたかったかというと、かれが求めていた仏典がそこにあったからだ。かれは一面で神国日本を背負っていたと言えよう。かくも大きな目的があると人はたぶん何でも出来てしまう。だから若い人には大きな目的を持ちなさいよ、なんて口が裂けても絶対に言えないけど、そういう目的を持つことが可能な、仕合わせな時代がかつてあった、ということを知るだけでも貴重な本かもしれない。ぎゃくに言えば現代とは可哀想な猿岩石がすぐに忘れられちゃうような可哀想な時代なのかも。きっとテレビで視聴者が猿岩石を見て笑ったり泣いたりしたのは、そこに等身大の自分の姿を見ていたからではないだろうか。

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